マキタスポーツラジオはたらくおじさんで記憶喪失!?から音楽を語る
マキタスポーツさんがやっているラジオ『マキタスポーツラジオはたらくおじさん』をご存知でしょうか。
画像はマキタスポーツラジオはたらくおじさんより引用。
今日はこのラジオで放送されたおもしろい話を紹介します。っていってもかなり前の放送の話なんですけど。
実はこの話は、僕が前やっていた別のブログでも書きました。
そのときはマキタスポーツさんのTwitterに記事をツイートされるという事件が起きました。
いやん恥ずかしい。
んで、今日紹介するおもしろいラジオがこちら。
ポッドキャストもあるんですが、YouTubeにあったのでYouTubeをペタっとしときます。
聴ける人は聴いてくれればいいんですが、聴けない環境にいる人のために大まかに書きおこします。
マキタスポーツさんはこのラジオ収録のとき、ちょっとした記憶喪失になっていました。
なんでもFNS歌謡祭で頭を打ったような衝撃を受けて、記憶がまだらになってしまったんだそう。
奥さんや子供のこと、マネージャーを初め周囲の人のことはわかるそうなんですが、どうしても音楽、特にロックのことが思い出せなくなっていました。
このことを医者に相談したところ、「音楽を聴くのが一番いい」とアドバイスをされたため、マキタスポーツさんに記憶を思い出してもらうために、ラジオ内で音楽を流してミュージックセラピーをすることに。
まずはロックの王道、ビートルズを流すことに。しかしマキタスポーツさんはビートルズの記憶がないので、「ずうとるびは知っているけど何が違うの?」なんて言ってます。
ビートルズが世界中に影響を与えたものすごいバンドだということを説明した上で音楽を聴いてみますが…
マキタスポーツさんの反応は、「全く音程がちゃんととれてるように聞こえない」「英語のように聞こえない」「あの高い声がいいの?」「おれはどうもピンとこない」とイマイチ。
次にビートルズの同じくらい世界のロックシーンに影響を与えたローリングストーンズを流すことに。
しかしローリングストーンズの記憶もないので、ビートルズより不良性がある激しいロックバンドで、ロックの象徴のようなものだという説明を受けます。
ボーカルであるミックジャガーについては、「ミックジャガーなんて変な名前だね」「ジャガー横田みたいなもんでしょ?」「プロレスラーじゃないよね?」なんて言っています。
とりあえず音楽を聴いてみますが…
マキタスポーツさんの反応は、「全然不良っぽさがわからない」「すごく歌っていることにためらいが感じられる」「音が取れてるように思えない」「野蛮ですか今の!?むしろ置きに行っているような歌い方だと思った」「これがロックと言われるものだってこと?でもおれにはさっぱりだ」などとまたイマイチ。
次にパンクの王道セックスピストルズを聴いてみることに。
しかしマキタスポーツさんには記憶がないので、「いやいや…おまえ…それはいけないよ…ラジオで…公共の電波でセ○クスなんて…」「おれさ、もうそういうセ○クスとか言うのやめようと思って」「でも上の句がセ○クスで下の句がピストルズなんでしょ?」「それはセックスマシンガンズとは関係あるの?」なんて言ってます。
パンクというものは、凶暴性を持った音楽で、反体制・反骨心のロックだという説明を聞きますが、「ロックっていうのは腹が立ってないといけないの?」「既製の価値観を壊すのがロックだと?」「でもさっきのローリングストーンズからそういうものは全く感じなかったんだけど?」などと突っ込みまくります。
とりあえず音楽を聴いてみますが…
マキタスポーツさんの反応は、「これはただ単に唸ってるだけじゃないの?」「確かに巻き舌感はあった」「俺には反骨とかじゃなくて、ただ単にお経を忘れたお坊さんにしか感じなかった」「イギリスっていうのがロックにおいてすごく重要なの?」
その後も同じように、マイケルジャクソン、ガンズ・アンド・ローゼズ、オアシス、ダフトパンクなど有名な音楽をたくさん聴いてみるんですが、すべてにおいてマキタスポーツさんの反応はイマイチ。
最後には、「医者に言われてやってみたけど逆効果だった」ということで終了。
………っていうのはすべてマキタスポーツさんによる長い長いコントでした。
今回は「意味剥奪ミュージック特集」という実験回。
音楽の中には「商業用音楽」というものがあり、そのような音楽は大抵の場合、「意味」や「ストーリー」が付加されることによって成り立っています。
では、そのような音楽に付加されている「意味」というものを、できる限り取り除いて聴いてみるとどのようになるんでしょうか?
実際は、「音楽に付加されている意味を取り除いて聴いてみる」というのは、現実世界ではほぼ無理です。
音楽を聴いている時点で、すでに何らかの意味やストーリーなどの情報による固定観念や先入観が形成されている状態だからです。
そこでマキタスポーツさんは、音楽的な意味を全くわかっていない「セクシーJ」という芸人さんに様々な楽曲を聴いてもらい、初見で歌ってもらうことによって、可能な限り「音楽から意味が取り除かれた“ゼロ”の状態」というのを作ってみたのです。
そのようにして作られた“ゼロ”の状態の音楽を、記憶喪失になったという設定の、つまり“ゼロ”の状態のマキタスポーツさんが聴いてみると、すでに音楽に付加された「意味」というものを極限まで取り除いた状態になるのではないか、ということで意味剥奪実験が行われたようです。
もちろんコントなので、マキタスポーツさんはギャグばかり言っていますが(笑)
音楽というものは、確かに芸術のうちの1つです。
しかし世の中で目にする音楽というものは、芸術としての要素以上にビジネスとしての要素を多分に持っている場合が多々あります。
楽曲に様々な「意味」や「ストーリー」を付加することによって、純粋な「音」とは別の価値観を消費者に植え付けて音楽を売っています。
最近でいえば、 佐村河内守さんなんかがそうです。
「被爆二世」「全聾作曲家」「現代のベートーヴェン」などの肩書きで、髪と髭を伸ばしてサングラスをかけ杖をつくという容姿。
これだけ多くの「意味」や「ストーリー」を付加させる大胆なブランディングをしているだけで、もう彼がどのような音楽を作っていようがミーハーな人が食いつくので、おそらく売れます。
これも立派なビジネスなんですよね。
消費者がどれだけ「無意味な意味」や「無意味なストーリー」に転がされ流されているのかがわかった、非常におもしろい事件でした。
だからといって、音楽を取り巻く「意味」を取り除いて純粋な「音」を楽しもうと言っているのかというと、そうではありません。
逆に音楽の背景や歴史のような「意味」や「ストーリー」を知ることによって、さらに音楽を楽しむこともできるということです。
興味感心を持ち音楽の背景にある意味を理解することによって、音楽の楽しみ方はさらに広がります。
「音楽を聴く」ということは、ただ単に「物理的な音」を聴いているわけではなく、「意味のある音」を聴いているということです。
マキタスポーツさんは、どちらかというとこちらの「意味を知ってさらに音楽を楽しもう」というほうが言いたくてこの企画をしたんじゃないかと思います。
おもしろおかしく馬鹿みたいなことばかりやっていますが、実はいろんなことを知っているし考えているんです。
マキタスポーツさんのこういう「真面目を不真面目にやっている」ようなところが好きです。
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