キリンジ「エイリアンズ」の歌詞の意味をどう解釈するか

キリンジの代表曲といえば、必ず出てくるのが「エイリアンズ」。

もちろん僕もエイリアンズは大好きだし、超が付く名曲だと思っている。

 

 

この曲を聴いていると、いつも疑問に思うのが歌詞の意味。

なんとなーく色や風景は思い浮かぶのだが、明確な意味は正直よくわからない。

逆に言うと、明確な意味を示さずに情景はしっかりと想像させるところがまた素晴らしいわけだが。

 

キリンジ「エイリアンズ」の歌詞はこちらでご覧下さい。

 

 

キリンジの「エイリアンズ」の歌詞の意味については様々な解釈がある。

僕もよくエイリアンズを聴きながら歌詞の意味について考えることがあるが、考えれば考えるほど難しい。

 

キリンジがNHKの音楽番組に出たときにエイリアンズについて語っていた内容がこれ。

僕たちが育った東京近郊、西武線沿線の、どこにでもあるような区画整理された街って地方都市の象徴的な風景だと思うんです。
切り取り方やフォーカスの当て方を変える事で、つまらない街の風景もロマンチックなものに出来るんじゃないか、そうした試みに意味があるんじゃないかと信じてこの曲を書きました。(ソングライターズ 泰行氏談)

引用:Yahoo!知恵袋

 

この情報を元に、エイリアンズの歌詞の意味について考えてみる。

 

 

舞台は「公団の屋根の上」「バイパスの澄んだ空気」「仮面のようなスポーツカーが火を吐いた」などから、都会からは少し離れたベッドタウンのような住宅地域を思い浮かべる。

これらは作詞作曲をした堀込泰行が語っていたように、「どこにでもあるような地方都市の区画整理された街の象徴的な風景」を描いているのがわかる。

 

時間帯は「誰かの不機嫌も寝静まる夜さ」から、ほとんどの人が眠りに就いている深夜。

1番のBメロに「月明かりが長い夜に寝付けない二人の額を撫でて」とあることから、みんなが就寝した時間帯にも関わらず寝付けず、これから長い夜が待っている状態。

そして3番のBメロでは「踊ろうよ さぁ ダーリン ラストダンスを 暗いニュースが日の出とともに町に降る前に」とあることから、夜が明けるまで踊り続けていることがわかる。

 

この曲の主人公はエイリアンのような「僕ら」。

「エイリアン」というのは、外国人や異星人などのように、異なった場所の人のことを指す言葉。どちらかというとネガティブな意味が含まれるワードで、部外者のようなニュアンス。

「僕らはエイリアンズ」と連呼していることから、一般社会に溶け込めず生き辛さを感じている「僕ら」を想像する。

孤独な「僕ら」だが、「エイリアンズ」と一括りに表現することで、同じような状況に置かれている二人が寄り添っているということもわかる。

しかしそんな「僕ら」でも、「僕の短所をジョークにしても眉をひそめないで」「無い物ねだりもキスで 魔法のように解けるさ いつか」とあるように、二人の間にもそれなりの苦悩があるということもわかる。

 

「禁断の実 ほおばっては 月の裏を夢見て」とあるが、「禁断の実」で思い浮かべるのは、旧約聖書の「創世記」に出てきた「禁断の果実」。

アダムとイブは禁断の果実を食べたことによって楽園から追放された。

「禁断の果実」はしばしば欲望の対象の例えられ、「禁断の実をほおばる」というのは、「欲望を満たす」つまり「愛を確かめ合う」ということだろう。

「月の裏を夢見て」からは、「いっそのことアダムとイブのようにこの星から二人で追放されたい」と願っているということがわかる。

つまり「禁断の実 ほおばっては 月の裏を夢見て」は、二人で愛を確かめ合うたびに二人でどこか遠くへ行きたいと願っているが、実際は地球の片隅でエイリアンのように孤独を感じている現実を描いている。

 

二人は月の裏側まで行くことはできないが、「この星のこの僻地」でも「街灯に沿って歩けば ごらん 新世界のようさ」のように、「切り取り方やフォーカスの当て方を変える事で、つまらない街の風景もロマンチックなものに出来る」のだ。

そして「キミを愛してる エイリアン この星の僻地の僕らに 魔法をかけてみせるさ」では、愛しているという気持ちを伝えることによって「ダーリン」に「愛」という魔法をかけ、「この星のこの僻地」と表現する「つまらない街」を「二人だけの新世界」に変えてしまうのだ。

 

 

長くなったが、以上が僕のエイリアンズに対する解釈だ。

 

意味やメッセージを明確に示していない作品というのは、鑑賞する人に様々な思考や想像を与えてくれる。

作品に対する意味は、それを鑑賞する人たちの感性というフィルターを通じて初めて生まれてくるものだ。

そんな楽しみ方ができるのもアートの魅力だと思う。

 

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『キリンジ「エイリアンズ」の歌詞の意味をどう解釈するか』へのコメント

  1. 名前:勝手な評論家 : 投稿日:2014/04/29(火) 15:25:59

    禁断の実→禁断の愛→ホモの歌

  2. 名前:勝手な評論家 : 投稿日:2014/09/15(月) 23:51:53

    単純に禁断の実は男女の区別を分けたモノとして、愛を純粋に貪り合うコトをテーマとした楽曲であって欲しいです。深く愛し過ぎるのがエイリアンというのもまた一興かな?

  3. 名前:勝手なエイリアン : 投稿日:2015/07/06(月) 13:56:02

    20代、東京近郊でこの歌のように暮らしていました。
    二人とも不安定な職業で、でもただ一緒に生きていたくて。
    だからこの歌を聴いたとき、あの冷たい道路と橙色の街灯、
    そして今はもういない誰かの事を思い出しました。

  4. 名前:勝手な評論家 : 投稿日:2015/08/01(土) 06:54:59

    キリンジファンの聡明さというか感受性の奥深さ
    レスで感じますよ、ホント
    自分がそうなんて言うつもりもないけど
    都会の孤独がすがすがしくてとても心地よく感じる感覚を共有できそうで・・・
    そこから本物の感覚をね
    見つけたい

  5. 名前:麒麟夫婦 : 投稿日:2015/08/23(日) 20:12:54

    私達夫婦の解釈は、やってはいけない犯罪などに手を染めた男女が、捕まるまでの間の時間を過ごしている情景が目に浮かびました。偶然にも夫婦とも同じ想像で笑ってしまいました。
    映画のエンディングとかで、捕まって別々のパトカーに乗せられながら、お互いを求め合う刹那的な映像が目に浮かぶんです(笑)

  6. 名前:勝手な評論家 : 投稿日:2015/08/27(木) 18:14:56

    公団、バイパスといった平凡きわまりない日常
    エイリアン、禁断の実、月の裏という非現実

    辛く悲しく退屈な日常から逃れたい詩情に満ちている。
    痛い程に伝わる現実逃避感
    出だしで空を行くボーイングを眺めているところからして
    ここから逃げ出して遠いところに行きたいという気持ちを表している
    しかしそれが決して叶わぬというあきらめにも似た気持ち

    【暗いニュース】とは何だろうか?
    単に失業率の増加とか、どこかで小学生が誘拐殺人の被害にあったとか
    そんな一般的なことなのだろうか?
    いや、そうではないと思う。
    これから自分たちの身に起こるであろうきわめて辛い事態を表しているのだと思う。
    そこはかとなく死の臭いすら漂う、エイリアンズの最後の救いは死であると歌っているようにも感じられる。

  7. 名前:ホリゴメズ : 投稿日:2015/10/11(日) 13:06:29

    素直な感想は不倫、もしくは近親カップルの歌。

    禁断の実を頬張って月の裏を夢見る→世間にうしろ指さされる様な男女関係。

    誰かの不機嫌の「誰か」→このカップルの女性もしくは男性の奥さんの不機嫌。

    泣かないでくれダーリン、寝付けない2人、無い物ねだり→愛し合ってはいるが公に一緒になれず展望も見えない状態。

    ラストダンス、暗いニュースが街に降る→駆け落ちもしくは心中

    私の妄想でした。

  8. 名前:ごんべえ : 投稿日:2015/12/31(木) 00:51:57

    禁断の実を頬張って月の裏を夢見るの部分は、楽園に行きたいと思いながらも禁忌を侵し続けてしまうという事なのかなと思いました。
    それが単に矛盾の事なのか、それとも惰性で止められないという事なのか、はたまた一度高水準のものを手にいれてしまうと元の水準には戻れないという事なのか……。
    あと月の裏は地球からは絶対に見えないので、人間が想像することしかできない追放された楽園を連想させるように思います。

  9. 名前:泰行派 : 投稿日:2016/01/08(金) 15:48:49

    自らを「ぼく」といっている主人公が、相手のことを「ダーリン」と呼んでる→これはもう、男性同士の「禁断の」関係かと…。
    女性に「ダーリン」と呼びかけるのも、間違いではないらしいですけどね。

    いずれにしても、この曲に限らずいろんな解釈ができるのがキリンジの歌詞のすばらしさ。2人とも「どの解釈も正解だよ」とか言いそうですよね。(ただし兄は、的外れな解釈に対してはお腹の中でせせら笑っていそう…)。
    兄弟がそれぞれ何歳のときに書いた作品か、に注目すると、あらためて2人の非凡さに驚きます。

    個人的にバンドの再結成って大っ嫌いだけど(Wellerリスペクト!)、彼らは例外です。いつかぜひ!

  10. 名前:yn780306 : 投稿日:2016/03/09(水) 23:47:09

    おなじ埼玉県南西部、西武線沿線出身としては、歌詞の光景 は自然にイメージできます。アルカディアにも出てきますが、不条理な刹那の印象が郊外ベッドタウンの夜に重なります。いっぽうで新世界とか魔法とかの堀込マジックがかすかな未来への希望をエイリアンに、そして私達に与えていると思います。

  11. 名前:じゅん : 投稿日:2016/06/05(日) 23:01:08

    エイリアンっていうのは異星人の他にも疎外された〜みたいなニュアンスがあるらしいですよ
    まあ大方皆さんが言ってる通り後ろ指されるような恋愛で此処から二人逃れたいという感じでしょうか
    エイリアンという言葉には世間に疎外されているという意味といっそ月の裏に逃れてエイリアンになってしまいたいという二重の意味が込められているのではないでしょうか

  12. 名前:勝手な評論家 : 投稿日:2016/11/06(日) 02:05:59

    これは不倫の歌でも恋愛の歌でもない
    神戸児童殺傷事件の酒鬼薔薇聖斗と名乗った少年Aを歌っている
    禁断の実は動物殺傷、魔法は殺人、ダーリンは被害者の男の子、街頭に沿って歩かなければならないのは夜明け前に遺体を人の目につく場所に運ばなければならないから、僕の短所は快楽殺人、暗いニュースは朝に遺体の頭部が見つかること
    これ以外考えられないんだけど…

  13. 名前:ぶううう¥ : 投稿日:2016/11/06(日) 04:54:06

    えええ。酒鬼薔薇聖斗のことを歌ってるとは考えもしなかった。
    多分そうとも取れるのかもしれないけど自分は想像したくない。この歌は綺麗だと思うからそれでいいのかな。

  14. 名前:勝手な評論家 : 投稿日:2016/12/07(水) 09:45:00

    自分もこの歌は大好きで、歌詞の意味を想像した事はあります。概ね記事で書かれたものと同じですが、僕はこれは許されない関係の二人だと思うんですよね。月の裏って、誰の目も届かない場所。でもそれは無理だと解ってるからラストダンスなんだと解釈してます。

  15. 名前:懐かしいような新しいような : 投稿日:2017/02/07(火) 13:48:07

    酒鬼薔薇聖斗のことだと言われてある意味そうかと思わせられるところがある。禁断の実がそれほど毒々しいものかと裏寒くさえなる。温かみを感じてる犯罪者ただ1人のための歌となると、共感するならその痛みを負わなくてはならないとも。少しだけ負うことができるとするなら社会に適合できなさだとして、この東京という人を寄せ付けて跳ね除ける人格に依るところがあるのかな、と。町田あたりに住んでいた時に、もう渋谷からの引力に毒されるみたいなのがそういえばあった。もうエイリアンて呼んでもいいから中心地面(づら)して呼び込んで跳ね除けたりしないでほしい、みたいな。愛のあるここは揺らいでるのかは分からないけど、磁場の中心みたいなそっちの方が揺らいでるみたいよ、ともう毒されちゃった口で叫んでるみたい。

  16. 名前:歌詞の本質 : 投稿日:2017/02/11(土) 01:24:20

    個人的には、
    真夜中、公団、禁断、最後の”わかるかい”から、
    【人の物を好きになった”又は、お互い好き”】みたいな。
    相手の結婚直前とも考えられる。
    【エイリアン】という単語で、行為を否定しつつ、衝動は押さえられないみたいな。

    “泣かないでくれダーリン”
    恐らく、女性はパートナーあり・男性はパートナーなし。
    女性は現実を受け入れる覚悟、男性は受け入れたくない様子。
    女々しいから”ダーリン”表記。

    “ほら月明かりが~”
    神様も僕らの味方、といいたい様子。

    “禁断の実~”
    お互い好意あり。現実逃避したい。

    【エイリアン” ズ “】
    お互い好意あるだろ?という、自己中心的なのかも。

  17. 名前:勝手な評論家 : 投稿日:2017/03/15(水) 12:33:13

    この曲を聞くと、小説『肉体の悪魔』を思い出します。
    つまらない軍人と結婚した少女の家へ、通いつめる少年の話です。
    どこか俯瞰的な少年の残酷さが、エイリアンズの「僕」に似ている気がしました。

  18. 名前:マチカゲガフチドル : 投稿日:2017/03/19(日) 19:30:28

    はっぴいえんどへの尊敬とジェラシーの詩。歌と書かずに詩と書きました。
    「12月の雨の日」の世界でいっぱいだあ。エイリアンズは言うに及ばずで、エイリアンはお客様、この曲を聴いている人。最後に謎をかけてくれています。「わかるかい?」って。フアンへの感謝の歌です。

  19. 名前:コク : 投稿日:2017/03/22(水) 03:22:12

    同性愛の歌
    ラストダンス
    暗いニュースが「町に」降る

    ラストはこの町でしか取り上げられないようなニュース
    ダイブ

  20. 名前:勝手な評論家 : 投稿日:2017/03/24(金) 13:36:28

    スガシカオのアシンメトリーと似ていると個人的には思っていました。
    結局他人同士分かり合えないから互いにエイリアン。

    郊外の住宅地に住むどこにでもいるカップルなのに愛すれば愛するほど相手のことを知りたい・分かり合いたい・独占したいという気持ちになっていく。
    なのに自分の価値観と違う、分かり合えないもどかしさ。
    なんで泣いているのか分からない、笑っておくれ・・

    こんな同じような区画整理された作られた街で育ち、型にはまって生きてきたのにお互いの内面を分かり合えないもどかしさ・・
    誰も知る人のいない新たな地(月の裏)でもっと愛し合おう

    という歌かなと思ってました(‘_’)

あなたの意見、待ってます。

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