アートで世界を変えられるのか?【TED Prize 2011 JR】
「音楽で世界を変えようぜ!みんなの力を貸してくれ!」
よくミーハーJ-POPアーティストが、ライブでファンに向かってこんなことを言っているのを聞いたことがある。
彼らがどのような手段で世界を変えようと考えているのかは知る由もないし知ろうとも思わないが、「アートで世界を変える」とは一体どういうことなのか、ということは考える価値がある。
「TED」って知ってる?
こう尋ねると、大抵の人は「あのテディベアの映画のテッド?」と答える。
それも間違いじゃないけど、今日話したいTEDは違うTED。
TEDというのはアメリカの非営利団体の名前で、Technology Entertainment Designの頭文字を取ったもの。
世界をよりよい場所にするために、価値のあるアイデアを世界に広める活動をしている。
TEDの事業の中に、「TED Prize」という賞がある。
この賞は簡単にいうと社会的に影響力のある人に送られる賞で、過去には政治家のビル・クリントンからU2のボーカリストのボノまで、とても幅広い分野の著名人がこの賞を受賞している。
2011年にこの権威ある賞である「TED Prize 2011」を受賞したのが「JR」だった。
出典:http://www.thesalon.jp
「JR」は半匿名のストリートアーティスト。
JRが行っているアートは、カメラで撮った顔写真を大きく引き伸ばして街中に貼るというもの。
彼は当時27歳で、フランスの男性写真家ということ以外素性がほとんど明らかになっていない謎多きアーティスト。
「TED Prize」はそれまで各分野の名立たる著名人たちが受賞していたことから、匿名のストリートアーティストであるJRの受賞はかなり異例のことだった。
技術や政治やビジネスは実際に世界を変える。
ではアートは世界を変えられるのか?
JRはこの問いに対して自身の考えをプレゼンで語っている。
24分と少し長めの動画だが、音楽を含め芸術に関心があるなら必ず見るべし。
「アートを通して、世界をひっくり返す」
アートで直接世界を変えることはできない。
アートが変えるのは世界の見方だ。
新しい視点を提供することによって問題提起をし、考えるきっかけを与えてくれる。
そして中立的な場を提供し、議論を巻き起こすことができる。
結果、アートは世界を変えられる。
JRのプロジェクト:insideoutproject.net
『アートで世界を変えられるのか?【TED Prize 2011 JR】』へのコメント
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名前:勝手な評論家 : 投稿日:2014/04/26(土) 14:46:58
ずっと疑問に思ってました。
アートで何ができるんだ?アートで何が変えれるんだ?って。
私はアートが好きだし、絶対何か変えれると思ってたけど、今までうまく説明できませんでした。
でもこのスピーチを見て、「アートで世界を変える」ってことがどういうことなのかわかった気がする。
なんかうれしかったし、これからも表現を続けていこうって思えた。
ありがとう。
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名前:名無し : 投稿日:2014/06/10(火) 23:24:40
これ有名だよね。一回見たことあるけど改めてもう一回見た。何回見ても学べることがある。
まじでアートの概念が変わった。
これがアートなんだって。
今はうまく言葉で表現できないけど、自分なりの方法で表現していくことが大事なんだと思った。